-
- Sweet Marlberry Dream 制作秘話
- こんにちは。文沢そらこです。
今回はpupulyに投げた「Sweet Marlberry Dream」の裏話をと…
(ちなみに、元はM3向けに出したアルバム用の曲です。
ここ最近微分音音楽をずっと作ってきたので、ヤブコウジをテーマに12平均律の曲を作ろうと思ったんです
かわいらしいヤブコウジの曲にしようって
さておき、12平均律とは一体どんなものなんでしょうか。まあ、1オクターブを12個に分けるから12平均律なんですが…
私ならこう言うかな。「small EDOで最も完全五度が正確に表現できる」平均律が12平均律。
12平均律は長三度が高めに、短三度が低めに出るのでメジャーマイナーの性格がはっきり表れる
4n平均律であるため中心軸システムが使える
といったところでしょうか。
なのでカワイイ曲を作る!ってなった場合一番いいのは12平均律なんじゃないかなって私は思います。
(7倍音が好きなの!という方は31平均律おすすめです)
...とか言いつつすこやかドレンチェリーは19平均律で作っちゃいましたが
途中までは順調でした。作っていくうちにカワイイというより切ない曲になっていきましたが。
しかしここで壁にぶつかります。12平均律だと11倍音が使えない!ということです(11倍音の持つ哀愁漂う音は魅力的なのですよ)
一応倍取りして24平均律にすれば11倍音が上手くハマりますが…それもう12平均律じゃない
12平均律にそんな音はない。でも11倍音は使いたい。すごく悩みました。
悩んだ末考え出したのが「ドミナント」よりさらに不安定である「すごいドミナント」という概念を作っちゃえばいい!(必要ならば理論も作ってしまうのが微分音使い)
そして「すごいドミナント」として24平均律の和音を入れることを思いつきました。※
パッシングディミニッシュの応用でパッシング沼5を入れればそれほど違和感なく微分音を曲に取り入れることができる!そんな感じでやってみたらほんとにハマりました。
微妙な音程からにじみ出てくる切なさはほんといい。
ちなみにすごいドミナントからドミナントは強進行であるとしました
サビのところでは、試しに枯葉コードを使ってみました。物は試しといいます。
サビ前の微分音の入ったコード進行から、サビの微分音のないコード進行に移行することによって、すっきりする、明るくなる展開になったかなと思います
ちなみに12平均律の曲を作るとか言いましたが、イントロで中3度転調してます。やだやだ、この時点で矛盾してる
さておき、曲ができた感想なんですが、思ったよりずっと切ない曲になっちゃたなぁって感触です。
微分音をいい塩梅で取り入れた事、サビに枯葉コードを使ったことが理由でしょうか。
とはいえ自分の中ではお気に入りの曲ができたので、そういう意味では後悔していません。
------------
※今回はやらなかったんですが、ほかの曲(まだ未公開)で、12平均律の曲に22平均律のコードを取り入れるということもしています。
-